闘病記(6)それでもゴルフがしたかった

月日が過ぎていきました。 試合にも出場してもちろん練習もしていました。
そんなに病状はあまり深刻ではなかったので、いつしかこの病気のことをあまり考えなくなっていました。
私は地元の彦根カントリークラブをやめ家族や周りの方の反対を押し切るかたちで、平成7年に千葉の万木城カントリークラブに移る決心しました。
環境を変え病気のことを忘れ、新たな気持ちでどこまでやれるか自分に挑戦したかったのです。

その年のQT予選会で良い成績でしたので前半、後半とも1年間の出場権を獲得していました。
思い切りやるぞーやれる時にやっておきたい!という一心でした。
身体が続く限りこの2年間にすべてをかけよう・・・この2年がひょっとしたら??・・・でも悔いが残ることだけはしたくない。そんな心境でした。

シーズンに向けて男子プロと男子研修生に混じってトレーニングが始まりました。
朝早くから西コースのランニング、打ち込み、ラウンド、夕方は筋トレ、そして坂道ダッシュ・・・
正直言ってへとへとでした。毎年オフは筋トレをやっていましたが、身体にパワーがなくなっていたことは気づいていました。力が入らないのです。それは顕著に表れていました。
まして今年は男の方に混じってのトレーニング・・・
坂道ダッシュ・・・息が切れ心臓がバクバクして頭が痛くなりました。ここ数年はきついトレーニングをしなかったのでほんとにきつかったのを思い出します。気合と根性で身体を引っ張っていました。
しかしこれで身体がどうにかなってしまうのではないか・・・という不安はありませんでした。
毎日へとへとになりながらもゴルフを続けられている満足感があったからだと思うのです。
そして、何よりも自分自身を強く信じて疑わなかったからだとも思うのです。
表現は悪いですが、こんなことでくたばる私ではない!と信じていたからです。
この頃からこのような強い気持ちが培われていたような気がします。